「眺めたり触れたり」 ~3Dスキャナの勘違い~
photoⓒday04
玉切りされた樹木を3Dスキャンした際に意図せず起こった「ホロウマスク錯視」現象をペーパークラフトで再現した作品

三次元計測の種類
3Dスキャンの方法は機械で対象物を直接触って計測するかによって「接触/非接触 計測方式」の大きく2つに分類される.
非接触の方式のなかでも、光を当てたり読み取ったりする「光学式計測法」は汎用的な機器として広く利用されている.
出典:吉澤徹『最新 光三次元計測』朝倉書店,2006

各データの3Dスキャン環境

膨らんでいる方|正しい形状
3Dデータ_https://skfb.ly/oqAYx
スキャン機器:iPhone12pro
スキャンアプリ:Scaniverse
スキャンタイプ:LiDARモード(dToF方式)
レーザー光を直接照射して形状をリアルタイムで把握する方式のため、データに破綻が起こればすぐ分かる

凹んでいる方|誤った形状
3Dデータ_https://skfb.ly/oqIsU
スキャン機器:iPhoneX
スキャンアプリ:Metascan
スキャンタイプ:Photoモード(フォトグラメトリ)
撮影した画像から読み取れる特徴をもとに後で3Dデータを再構成する方式のため、見た目が同じでも形状が元と違う立体が生成される場合もある
光を用いて形状を測定する3Dスキャナにとって、
自ら発する光線は対象に触れるための「手」のようなものと捉えられるだろう.
機械もヒトと同じように、受動的に目で見た情報・能動的に手で触れた情報によって、
世界を認識できたり・できなかったりしている.